『 東灘医報 平成28年 3月号への寄稿文 』
ビートルズとバースディ
御影南地区 植坂俊郎
♪♪ Yesterday, all my troubles seemed so
far away.
Now it looks as though they’re here
to stay.
Oh, I believe in yesterday.
昨日は、はるかな彼方にあった苦悩が
今は僕のもとに居すわろうとしている
ああ、すべてが輝いていた ― 昨日
「 YESTERDAY (1965)」♪♪
1960年代、一世を風靡した英国リバプール出身の
ロックバンド『ビートルズ』(Beatles)。私がビートル
ズを好きになったのは高校 2年生の時でした。兵庫県
城崎郡日高町(現在の豊岡市)、田んぼの真ん中で生ま
れ育った私は流行に乗り遅れ気味でした。高校2年に
進学して、ビートルズを熱烈に好きな同級生K君と
同じクラスになりました。明けても暮れてもビートル
ズ。その彼が、オープンリールの大型テープにビート
ルズのアルバムをコピーしてくれたんです。直径10
cmほどの大きなオープンリールのテープ。この大型
テープ1本に、アルバム 2枚分の曲が録音できまし
た。それを熱心に聴く日々が続きました。2、3ヵ月
で、私は熱烈なビートルズファンになりました。
♪♪ Let it be, let it be.
Let it be, let it be.
Whisper words of wisdom.
Let it be.
何事もあるがままに
無理に変えようとしてはいけない
智恵ある言葉をつぶやいてごらん
あるがままに
「 LET IT BE (1970)」♪♪
私が、ビートルズを熱烈に好きになった年、昭和45
年、その年は、ビートルズが解散した年でもありまし
た。私は、同世代の人々の中では、遅れてファンにな
ったのですが、熱中症の私は、好きになった後は、と
ことん聴きますから密度が違います。高校時代の私は
、オートバイとビートルズでした。
ビートルズを熱烈に好きになる、その約 1年2、3
ヵ月前、中学校 3年の 3学期、高校入試を終えて自
宅に帰ると小型ステレオ(安物ですよ)が置いてありま
した。まだ合格発表されていないのに気の早い母親が
「高校入学のお祝いだよ」と言って買ってくれました。
何も聞いていなかったので私にとってはサプライズで
した。当時はCDではなく、針で聴くステレオでした。
レコードを買いに行こう。隣町へ自転車をこいでい
きました。レコード屋さんで、初めて買ったレコード
が「ベートーベンの運命」とフォーククルセイダース
の「帰ってきた酔っ払い」でした。なんせ、当時、音
楽事情に全く縁がない田舎生活を送っていた中学3年
生なんですから、何でもよかったんです。そのすぐ後に
買ったのが「オブラディ・オブラダ」。
♪♪ Ob-la-di Ob-la-da life goes on bra.
Lala how the life goes on.
オブラディ・オブラダ 先は長いわ
何があろうと人生は続いてく
「 OB-LA-DI, OB-LA-DA (1968)」♪♪
このシングル盤を買って、私は初めて『ビートルズ』
(Beatles)という英国の 4人組ロックバンドの存在を知
りました。そういえば 2年程前に厳戒警備体制の中、
来日して日本武道館で公演を行い失神する女性が出る
など大旋風を巻き起こしたロックバンドがいた、その
程度の醒めた認識しか持っていませんでした。「オブ
ラディ・オブラダ」でビートルズを有名ロックバンド
と認識した後も醒めていました。
私のビートルズ熱に火が付いたのは高校 2年生の時、
熱狂的なビートルズファンのK君と同じクラスになり
親しく付き合うようになってからです。シングル盤、
LP盤を買うお金を倹約して、K君が録音してくれた
オープンリール大型テープを何回も巻き戻して約200
曲、聴き続けました。ソニー・ソリッド・ステート
IC-11を買って深夜ラジオ「オールナイト・ニッポン」
を聴き始めたのもその頃です。ロックバンドの人気投
票で王者ビートルズのライバルとしてミック・ジャ
ガーのローリング・ストーンズが存在することを知っ
たのもその頃です。
私が初めて買ったビートルズのシングル盤は「オ
ブラディ・オブラダ」。高校に入学する前の春休み、
昭和44年3月のこと。私が初めて買ったLP盤は
「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・
クラブ・バンド」。大学に入学する前の春休み
、昭和47年3月のことでした。そのLP盤の中に
「ホエン・アイム・シックスティ・フォー」という
牧歌的な暖かい曲がありました。「64歳か~、はる
かかなた人生の終点近くだな」そんなことを考えな
がら聴いたものです。あれから40年とすこし歳を
とってその年齢が迫ってきました。「64歳、まだまだ
青春だぞ~」。
♪♪ Will you still need me, will you
still feed me.
When I’m sixty-four.
まだ僕を必要としてくれる?
食事もさせてくれるかい?
僕が64になっても?
「 WHEN I’M SIXTY-FOUR (1967)」♪♪
ビートルズ 4人のメンバーの中で、私が一番好きな
のはジョン・レノン John Lennon. 彼の詩、彼の
曲、彼の生きざま、彼の声。ポール・マッカートニー、
ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターもいいけれど、
私は、やっぱりジョン・レノンです。
好きな一曲として、糸井重里は「ア・ハード・デイ
ズ・ナイト」、三浦友和は「ラブ・ミー・ドゥ」を挙げ
ました。私は「バースディ」。名曲ではないですが、こ
の単調なロック曲が、常に、高校2年、3年の私の頭
の中を流れていたんです。いまでも、青春時代を振り
返る時、ビートルズのこの曲が流れてきます。単調な、
ふつうのロック曲なんですが・・・?
♪♪ You say it’s your birthday.
It’s my birthday too, yeah.
They say it’s your birthday.
We’re gonna have a good time.
I’m glad it’s your birthday.
Happy birthday to you.
今日は君の誕生日なんだってね
僕も今日が誕生日なんだ
今日は君の誕生日だと聞いた
一緒に盛り上がろうじゃないか
今日が君の誕生日でうれしいよ
誕生日おめでとう
「 BIRTHDAY (1968)」♪♪
私はビートルズが大好きです。
2016. 1. 1. by Cyclennon